Jun 12, 2010

一番嬉しかったプレゼント

うち2人の子供がいますが、男の子である。母の日プレゼントを子供たちから受けたことがない。友人が"これ母の日のプレゼントだと"と子供に受けているものを見せたり、話をドゥトゴたりすると、"いい"などと羨ましがっていた。の少年だからこういうことではないか、健康で毎日笑顔で送ってくれればそれは最高のプレゼントだと思っていた。そんなある年の母の日の仕事から帰ると高校生の息子が"これあげる"と包みを渡してくれた。開くと、香水が入っていた。以前の"希望と言えば、香水かな"ゴヘトドン覚えてくれたのだ。予想外の出来事に思わず涙が流れてしまった。その香水は、今も大切に使用している。
"コスプレ"という言葉が出てきたのは最近です。漫画、アニメ、ドラマなどの登場キャラクターの姿をするということは正直無理だと思う人もいると思います。しかし、これらは現代日本の文化を表すが一つなっています。今後おそらく、コスプレは、世界​​中のです。そこから楽しむのが1番大事なことです。
 テレビのニュースや新聞記事には、何年も前から「チャイナリスク」という言葉が飛び交っていた。中国に依存してきた日本企業や日本の経済活動が中国という国家のカントリーリスクに晒されているというのだ。「チャイナリスク」というと、知的財産権の問題、技術・ノウハウの流出、反日感情による不買運動、不透明な行政手続きなど、さまざまな問題で語られるが、ここ最近で最も多く語られているのは、人件費高騰に伴う生産市場・労働市場としてのリスクである。こうしたリスクは、今、どこまで迫って来ているのだろうか。

●東京・銀座で見たチャイナリスク

 1月下旬に一時帰国した際、銀座にある大手百貨店に出掛けた。この大手百貨店は、女性向けのファッション衣料を中心に、ファッション雑貨、生活雑貨などを取り扱っており、女性からの人気・知名度の高いデパートである。わたしは、住まいや職場がこの界隈であるため、この大手百貨店をよく利用するのだが、先日買い物に行ったとき、アパレルメーカーショップの顔なじみの店員さんが面白い話を聞かせてくれた。

 「既にプロモーションしていた服が、中国から納品されないっていうトラブルがあったんですよ。今までこんなことなかったのに。」と言うのだ。その原因や経緯についての詳細は分からないが、チャイナリスクがこんな身近で顕在化していたのだ。中国経済の発展、人件費の高騰によって、中国の受注サイドと日本の発注サイドのバランスが以前と大きく変わりつつあり、それに起因する商取引上のトラブルが生じていることは聞いていたが、この銀座のデパートでそれを目の当たりにするとは思ってもいなかった。

 さらに彼女は続けた。「辻さん(著者)が記事で書いていたように、これからはバングラデシュみたいですね。うちの会社も、中国だけに頼っていると危ないから、バングラデシュに持っていこうって真剣に考えているみたいです。そのほうが安心ですよね。」と言うのだ。わたしは驚いて、言葉を詰まらせてしまった。これまでわたしは、“アジア新興国に目を向け、アジア新興国とともに日本も成長しよう”と、繰り返し主張してきたが、まさに現場ではその必要性を感じている。わたしなんぞが、生産拠点の分散化によるリスク軽減、そしてそれを契機にした消費市場展開をうたうよりも、デパート売り場という現場に立つ彼女が語る言葉のほうが、説得力があるだろう。

●中国依存の経緯と現在

 1972年、日中の国交が回復し、日本企業は中国への輸出を進めるとともに、中国を労働市場として捉え、生産拠点を設けるようになった。そして、世界的な不況を受けて安い労働力を求めて、多くの企業が中国への工場進出を本格化させたのは2000年頃である。当然、中国以外のアジア諸国もその対象となり得たわけだが、技術支援・設備支援を強く求め、そして何よりも地理上の好条件であった中国への工場進出を強めていった。

 当初は、労働集約型のローエンド生産拠点としての役割を担っていたが、2004年頃には工場生産拡大期に入り、中国が「世界の工場」とも呼ばれるようになると、部品の製造だけではなく、完成品を製造するメーカーも現れ始めた。それに伴い、工場に部材を提供するサプライヤの中国進出も進んでいった。加えて、中国政府が税制面などで優遇したこともあり、あらゆる製品の製造が中国に集まっていった。

 繊維産業は、他の製造業にも増して、中国への依存が早かった。1990年には中国での生産拡大が始まっている。そして、中国の繊維産業自体が拡大し、2004年には世界の生産高のうち、実に40%を中国が占めるに至ったのである。製品単価が安価で、売上規模が大きくなりにくい繊維産業は、人件費などのコストの削減に最も敏感な産業であり、他の製造業に比べ、中国への依存が早かったことは、いわば当然であろう。

 しかし、だからこそ、繊維産業においてチャイナリスクが最も早く顕在化している。かつては、中国および中国人民から見れば、雇用が創出され、技術・設備の支援が得られたため、安い労働力を求めていち早く進出した日本の繊維産業とWin-Winの関係であった。だが、中国経済が急速に成長し、都市整備が進み、労働賃金が上昇したことによって、この関係が変わった。これまでの条件や仕様では、中国側からお断りされるようになっている。

 今年(2011年)2月、中国に進出している日系の繊維企業が最も悩んでいたことは、“従業員が旧正月の後、工場に戻ってくるか?”であった。旧正月になると、地方から工場へ出稼ぎに来ている従業員たちが、故郷へ帰るのだが、現在の中国では、地方都市も開発が進んでおり、そこには雇用が創出されている。彼らはわざわざ都市の工場に戻らずとも、職に就くことができ、生活を営むことができるようになったのだ。ある繊維企業では、従業員の20%は戻って来ないだろうと見積もっていたが、実際には従業員の30%が戻って来なかったそうだ。こうした事態も既に起こっているのである。

●チャイナ+1はどこか?

 在タイ伊藤忠商事の西川弘也氏によると、昨年(2010年)の夏以降、これまで中国に依存してきたもののチャイナリスクが眼前に迫ってきたファッション系アパレルメーカーなどが、タイへ相談に訪れるそうだ。実際、わたしが冒頭にお話したあるアパレルメーカーも相談に来ているとのことである。チャイナリスクを軽減・回避しようと、まさにチャイナ+1を探し求めており、中国に依存していた製造の20〜30%程度を移管しようと考えているのである。

 多くのアパレルメーカーがチャイナ+1として着目するのは、ベトナム、インドネシア、タイとなっている。ベトナムはこれまでも日本市場向けに製造を行っており、日本市場が求める品質や仕様にある程度応えてくれる一方で、既に生産のキャパシティを超えつつある。インドネシアやタイは、中国と同様、川上から川下まで一貫して製造が可能な国であるが、インドネシアは、ベトナムと同じく、既に生産のキャパシティを超えつつあり、タイは人件費が上昇しておりコスト的に見合わない状態となっている。

 では、その次に挙げられる国はどこかといえば、カンボジア、ラオス、ミャンマー、バングラデシュである。しかし、これらの国をチャイナ+1とするのもそれほど容易なことではない。以前、取り上げたとおり、例えば、バングラデシュは、電力供給や物流事情などインフラ面の問題がある。また、これらの国々は既に欧米企業などとの取引が活発に行われているため、後発の日本企業に提供する生産力の有無も問題となり得る。だが、最も大きな問題は日本がこれまで最も重視してきた品質にである。

●日本企業が求める品質の問題

 かつて中国に生産拠点を設けていた頃というのは、いくつかの点で現在の状況と異なる。まず、当時の中国は繊維産業も含めて日本の技術支援や設備支援を強く望んでいた。しかし、チャイナ+1として考えられているアジア新興国は、現在、既に欧米企業などとも取引を行っており、技術も設備もある程度備えている状態にある。次に異なる点は、日本市場の魅力である。当時の日本は、消費市場として成長と拡大の時期にあり、世界的に見ても魅力的な市場であったと言える。しかし、現在は、規模こそ大きいものの、供給が需要を上回る状態にあり、今後の成長と拡大の見込みはないに等しく、将来を託すに値する魅力的な市場ではないというのが実状である。加えて、当時の中国は段階的に開放政策を進めていたところであったが、現在のアジア新興国はまさに成長の只中にあり、引き手あまたの状態にある。

 したがって、当時の中国には、日本企業が重視する品質を求めることができ、長い年月をかけて、それに対応できるレベルまで共に歩むことができたが、現在のアジア新興国にこれを求めることは難しいのである。すなわち、日本企業が求める品質は、アジア新興国の企業や工場にとって、面倒なものでしかなく、それをまっとうすることによるインセンティブがほとんどないのである。それでは、チャイナ+1を求めるためには、品質を諦めることが必要ということなのか? 品質を諦めなければ、中国に依存した生産体制から脱却することができないのだろうか?

●“品質”の認識ギャップ

 これについて、西川氏が興味深い問いを投げ掛けてくれた。「最近、わたしは、日本のアパレルメーカーなどが求める品質について疑問を感じている。H&M、FOREVER21、ZARAが日本に進出する以前は、“日本ではあんな品質では売れないだろう”と多くの専門家が語っていたが、実際には成功を収めている。これはどういうことか。」

 わたしが一消費者として感じることは、日本企業が想定している品質と、日本の消費者が求めている品質には違いがあるのではないか?ということである。これは品質のレベルについてではなく、品質の多様性の幅に違いがあるように感じる。日本企業が求める高い品質を備えた衣服を求めているときもあるが、低い品質でもいいから安くて、気軽に買い換える衣服を求めているときもある。その多様性の幅が日本の消費者の中で、昔よりも広がっているのではないかということである。

 わたしは、日本企業が大事にしている品質は軽視されるべきものではなく、むしろ差別化要素の一つとして、極めて重要なものであると考えている。一方で、アジア新興国にチャイナ+1を求めるとすれば、それをかたくなに守り続けるだけでは供給面での問題が生じてしまうだけでなく、日本市場に安価で流入する海外メーカー製品との争いに敗れてしまうであろう。このバランスをいかに取っていくのか? これこそがアジア新興国を中国に続く生産拠点として活用する上での大きな命題であろう。次回は、この点について、深堀りしていくことにする。【辻 佳子(デロイト トーマツ コンサルティング)】

(ITmedia エグゼクティブ)
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